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アンケート
2014年度情報技術(IT)活用状況報告書

1.目 的

企業を取り巻く環境が激変する中、情報技術(IT)も近年ますます進歩しており、従来からのシステム安定稼働はもちろんのこと、クラウドサービス、スマートフォンなどの多様化するIT環境への対応、巧妙化するセキュリティ脅威への対策が必要となってきています。

この度、産業情報化専門委員会では、主に上記に関する「情報技術(IT)活用状況」のアンケートを 実施しました。アンケート調査結果から会員企業における情報技術(IT)の実態を把握し、当産業情報化専門委員会の今後の活動を今まで以上に会員企業各位のニーズに則したものとしたいと考えています。また情報技術の活用や対応方針などの参考となる情報提供を目的といたします。


2.調査要領

1)調査期間 平成26年(2014年)2月7日~ 2月21日
2)調査方法 電子メールまたは郵送によるアンケート調査
3)対象会社 当会会員企業全社(125社)
4)アンケート内容と考察 全48問
1.プロフィール・IT全般について(9問)P.2~5
2.クラウドサービスの活用状況(13問)P.5~9
3.スマートフォン、タブレット端末の活用状況(4問)P.9~10
4.情報セキュリティへの取組み(6問)P.11~13
5.WindowsXPとOffice2003対応について(16問)P.14~17
6.まとめ P.18~19

3.回収率

回答会社 46社/125社 37%(大手 15社/23社 65%  中堅 31社/102社 30%)

4.調査結果とその分析

各質問における単純集計結果を元に、当該アンケート調査の調査結果を次頁より述べます。 調査対象企業の企業数は、特に指定がない場合は有効回答数のN=46となります。
また、一部質問では大手と中堅に分けての考察とします。

【 1.プロフール・IT全般について 】

企業プロフィール及び、IT全般(推進体制、システム導入状況等)についての質問(全9問)。

1-1.ご回答者の組織における所属(最も近い部門)

情報システム部門以外の所属が約40%を占める結果となった。

情報システム部門以外の所属が約40%を占める結果となった。

1-2.国内外の拠点の有無

国内、海外それぞれの拠点の有無の比率は下図の通り。
海外については、製造拠点がある企業が約40%、営業拠点が約30%、研究・開発拠点が約15%となる。

1-3.IT関連の業務を担当する部門

国内は先の[1-1.]の結果と同じく、40%弱の企業が情報システム部門を持たず、兼務といった形で担当 している状況が伺える。海外は情報システム部門を持つ会社は13%に過ぎず、半数以上の企業は兼務の 担当もいない。海外はIT人材の確保あるいは持つこと自体が難しく、国内に比べてITの導入・推進が 困難な状況であるかもしれない。

1-4.業務領域別のシステム導入状況(※国内のみを対象)

〔図1-4-1〕は中堅企業、〔図1-4-2〕は大手企業の業務領域別のシステム導入状況となる。傾向としては、 中堅はベンダー開発もしくはパッケージ・クラウドの導入が多く、物流、開発・設計は未導入が多い。 大手は全体的に自社開発である。また、生産管理、販売管理、在庫管理など、事業のコアの活動に 近いものは自社開発し、そうでないものはパッケージを選ぶ傾向があり、特に大手において顕著である。 生産管理、販売管理、在庫管理の領域は、電線業界の業務に適したパッケージが少ないとも読み取れる。

1-5.事業・業務のITへの依存度

約半数の企業ではITへの依存度は小さい結果となった。ITの導入・活用が進んでおらず、今後のIT導入の余地があるとも言える。

1-6.ITを導入するにあたっての障壁(複数選択可)

IT導入コスト、費用対効果、人材・スキルの不足をあげる企業が多い。IT導入する上での大きな障壁と なっており、前述「1-5」にてIT依存度が小さい企業が多いことに繋がっているのかもしれない。また、中堅・大手とも傾向としては近い結果となった。

1-7.パソコンの所有台数(国内のみを対象)

パソコン500台未満の企業が約70%となるが、アンケート有効回答数46社のうち中堅企業が占める 割合 「67%」(31社)に近いことが分かる。

1-8.サーバの所有台数 (国内のみを対象)

自社でサーバを所有する企業が多い。大よそパソコン数十台に対し、サーバ1台の割合となっており、比率として高いと言える。

1-9.自由記述 (課題、その他取り組み)

下記の通り。老朽化・レガシーシステムの更新を課題としてあげている企業が多い。 コスト問題、IT人材の不足、電線業界向きのパッケージ導入が難しいことが背景にあるかもしれない。 一方、サーバ仮想化による物理台数削減、PCのシンクライアント化、海外も含めたシステム基盤の 共通化を今後の取り組みとしてあげている企業もある。

(自由記述)
  • サーバ仮想化による物理台数削減の取り組み
  • PCのシンクライアント化によるセキュリティ向上、管理一元化の取り組み
  • OSのバージョンアップ、ソフト、周辺機器
  • タブレット端末の有効利用。
  • 基幹システムが老朽化しており、今後の更新が課題。
  • 多く残っている老朽化システム(メインフレーム/COBOL言語)の更新。
  • 個別対応になっている海外グループ会社を含むシステム基盤の共通化。
  • IT担当者のスキルアップ。
  • レガシーシステムのマイグレーション。
  • 年代による足並みがそろわない。(積極的か消極的か)


【2.クラウドサービスの活用状況 】

昨今、注目を集めているクラウドサービス(※)に関する質問(全13問)。

(※)従来はコンピュータを導入して利用していたようなソフトウェアやデータ、あるいはそれらを提供する為の技術基盤(サーバ等)をインターネットを通じて必要に応じて利用者に提供するサービスの総称。


2-1.

(1)クラウドサービスの利用状況

クラウドサービス自体の認知度は高いのに対し、その利用は大手で1/2(7社)、中堅で1/3(11社) となっており、まだまだ様子見の企業が多いとみられる。


(2)クラウドサービス導入状況(※前述(1)にて導入していると回答した企業が対象)

検討中も含めた導入の割合は「プライベート」「パブリック」で大きな差はないが、導入済みに限れば、「プライベート」の方がやや多い。「プライベート」は従来の社内システムのように自社でシステムを 管理しつつ、クラウドの特長も享受できるのが特徴であり、導入に繋がっているかもしれない。

次の設問より、「パブリック・クラウドサービス」に限定したアンケート設問とその結果となる。


2-2.パブリック・クラウドサービス利用状況

利用は一部に留まっており、幅広く利用している企業はなかった。

2-3.パブリック・クラウドサービスの利用目的・分野(複数選択可)

全体として、メール配信・ワークフロー・SNS・情報共有など支援業務系アプリケーションの利用に 留まっている状況である。同じSasSとなる基幹業務系アプリケーションの導入は一社のみで、導入が難しい背景があると推測される。PasS、IaaSについても利用企業は少なく、自社もしくはそれに近いプライベート・クラウドサービスまでの利用と思われる。その理由は次の設問以降での分析とする。

2-4.パブリック・クラウドサービスの利用者(または予定者)数

ほぼ全員が36%、半数以上も多く、〔2-3〕の結果にて支援系業務系アプリケーションの導入率の高さが背景と思われる。

2-5.パブリック・クラウドサービスの導入目的(または期待される目的)(複数選択可)

一般的に、コスト削減及び人材不足への対応策としてのクラウドサービスが利用が考えられるが、 今回の結果も同じものとなった。他システムとの連携性の評価の低さは、〔2-3〕にて基幹系業務アプリ ケーション(※他システムとの連携多い)の導入が少なかった原因の一つであると思われる。

2-6.パブリック・クラウドサービスのメリット・導入効果(または期待される効果)(複数選択可)

コスト削減も多いが、それ以上にビジネス継続性が効果として期待されている。また、その導入スピードも パブリック・クラウドサービスの魅力と思われる。「メリットは無かった」「デメリットが増えた」という企業 は少なく、導入による成果をあげている(期待している)事が確認できる。

2-7.パブリック・クラウドサービスのセキュリティ対策

(1)サービスを提供する事業者が実施しているセキュリティ対策を確認する方法について(複数選択可)

サービス提供者の資料での確認、及び公的・中立的機関による評価認証を求める企業が多い。また自社よりも高く信頼しているとの回答も多く、そのセキュリティは評価されているとも言える。

(2)サービスを提供する事業者が実施するセキュリティ対策について、必要性(複数選択可)

求めない会社はなく、全体的に全ての対策の必要性を感じている企業が多い。

2-8.パブリック・クラウドサービスの導入・利用に際しての課題等

(1)サービスを利用するにあたっての課題(複数選択可)

中堅企業は特定のサービス事業所への依存度が大きくなりすぎることを一番の課題と考えているのに対し大手は0社との結果になった。サービスを受けることによるITの社内リソース削減がその背景にあるかもしれない。自由度の低さ、既存システムとの連携の難しさは、基幹系業務系アプリケーション導入が少ないことに繋がっており、大手の選択が多い理由とみられる。

(2)サービスを提供する事業者が示さなければいけない必要な情報(複数選択可)

中堅・大手ともに求める情報の傾向は同じであり、万遍なく情報の必要性を要求している。

2-9.パブリック・クラウドサービスの今後の利用意向・興味の度合い

大手よりも中堅における意向・興味の度合いが高い。〔1-6〕にてIT導入の障壁として中堅企業があげて いたのはITリソース不足とコストの高さであったが、その解消の手段となり得るパブリック・クラウドサービス への期待度と感じられる。一方、大手が慎重なのはカスタマイズ性と他システムとの連携の困難さが背景と思われる。

2-10.自由記述(課題、その他取り組み)

下記の通り。企業ごとに独自のカスタマイズが少なくかつ、コストがあまりかからない部分に対しクラウドの導入を検討しているのではないかと考えられる。

(自由記述)
  • メールや情報共有などITインフラ系の仕組みを全社で適用することを検討している。
  • 業務情報は原則として社外に置かない方針であり、クラウドは社内にて構築している(プライベートクラウド)。

【 3.スマートフォン、タブレット端末の活用状況 】

業務で利用(会社で支給)しているスマートフォン及びタブレット端末についての質問(全4問)。

3-1.スマートフォンとタブレット端末それぞれの導入状況(複数選択可)

約半数の企業は未導入となり、なかでも中堅は大手に比べ未導入が多い。今回は単年度の結果 となるが、企業におけるビジネスユーズは右肩上がりであり、電線業界でも同様に増えると思われる。

3-2.業務での利用用途(複数選択可)

スマートフォン、タブレット端末の業務活用度合は徐々に増えてきていると思われるが、メール、スケジュールなど、支援業務系アプリケーションから利用がメインであり、クラウド利用分野と似た動きになっている

3-3.「盗難・紛失」「セキュリティ対策」についての実施施策(複数選択可)

実施施策として挙げられるのは、盗難紛失時の情報漏洩対策までであり、ウィルス等による不正プログラムや利用者の不適切利用などへの対策はまだこれからといった状況であり、課題と考える。

3-4.自由記述 (課題、その他取り組み)

下記の通り。「BYOD(Bring Your Own Device)」個人所有の機器の活用は、ある調査結果ではBYODに許可を与えている企業は10%強であり、他国に比べて低い。セキュリティ面、運用の難しさから当面の導入は慎重と思われる。

(自由記述)
  • 個人所有のスマートフォンをどの様に利用する事が出来るか?
  • iOSが基本だが、Androidについても限定的に可としている。
  • スマートフォン・タブレットを導入する以前の足元ができていいない。
  • BYODが課題。
 

【4.情報セキュリティに対する取り組み 】

情報セキュリティマネージメントや組織・体制についての質問(全6問)。

4-1.情報セキュリティマネージメントや組織・体制

(1)情報セキュリティに対応する組織の存在

各社における情報セキュリティマネージメントや組織・体制をもっている割合は、大手で100%となっている。一方、中堅については体制がある割合は半数に留まった。

(2)情報セキュリティの取組み状況

大手では、セキュリティポリシーの整備、見直し、監査、BCP等、継続的に情報セキュリティの取り組みをほぼ行っていることがわかる。一方で、中堅ではまだ普及が追い付いていない。中堅では情報セキュリティに対応する組織の存在が半数に留まっていることが大きな要因の一つと思われる。

(3)情報セキュリティに関する教育の取り組み状況

教育についても大手と中堅とで大きく差が出ている。前述のセキュリティ施策同様に、組織の存在有無が影響していると思われる。また、中堅においては、ユーザ教育の前にセキュリティ対策を実行する人材の育成を今後の取組み予定としているところが多く、その必要性を認識しているところも多い。

  既に取組み済 今後取組み済 取組む取組み済
中堅 大手 中堅 大手 中堅 大手
1.ユーザに対する情報セキュリティ施策の教育 9 13 11 1 13 0
2.情報セキュリティ対策を実行推進する人材の育成 8 9 15 4 9 1

4-2.情報セキュリティの技術的対策

中堅では、パソコンやネットワーク等、目視で監視できない部分についてのセキュリティは進んでいるが、目視確認できる物理セキュリティについては二の次になっているのではと考えられる。

4-3.情報セキュリティ対策を推進するにあたっての課題

セキュリティに関する知識を持った人材の少なさを上げる企業が非常に多い。 一般的に「セキュリティの投資効果(ROI)を測定しにくいことが挙げられる」が、本調査結果でも効果が測定できないとの回答社も多い結果となった。

4-4.自由記述(課題、その他取り組み)

下記の通り。ITの活用の為には情報セキュリティの対策は必要不可欠であり、企業として存続していくためにも必要なものである。IT部門が少なく人材も不足していると思われる海外においては、国内以上に対策が取られていない状況と思われるが、その対策の底上げと徹底は必要なことである。

(自由記述)
  • シンクライアントの導入。
  • 海外グループ会社での情報セキュリティ対策の底上げ、統一的な方針と対応する仕組みの導入を検討。
  • 海外関係会社のセキュリティ対策の徹底。

【5.(マイクロソフト) WindowsXPとOffice2003対応について】

Windows XPとOffice2003の対応状況についての質問(全16問)。

※今回のアンケートは14年2月に実施した為、サポート終了後(~4/9)の現時点では対応状況が変わっているかもしれない。ただ、下表の通り、対象バージョン以降のWindows OS及びMS Officeもサポートが順次終了するので、本件は継続的な課題となる。


Windows Client(※2014/6/9時点 マイクロソフトホームページより゙より)

品名 メインストリームサポート終了日 延長サポート終了日
Windows XP 2009/4/14 2014/4/8
Windows Vista 2012/4/10 2017/4/11
Windows 7 2015/1/13 2020/1/14
Windows 8 2018/1/9 2023/1/10

MS Office(※2014/6/9時点 マイクロソフトホームページより)

品名 メインストリームサポート終了日 延長サポート終了日
Office 2003 2009/4/14 2014/4/8
Office 2007 2012/4/10 2017/4/11

5-1.WindowsXPの対応状況

(1)Windows XPのサポート終了(2014年4月)の認知度

全回答社が知っており、認知度は100%であった。

(2)保有するパソコンのOS(複数選択可)

WindowsXPを所有する企業が多い結果となった

※以降の設問(3)~(7)は、(2)にてXPを所有すると回答した企業が対象。

(3)Windows XPのパソコンが、パソコン保有台数全体に占める割合

半分以上がXPとなり企業が全体の4割弱を占め、ほぼ全台(90%以上)の企業も1割(4社)となった

(4)Windows XPパソコンのハードウェアの入替やOSのアップグレードの実施予定

サポート終了までに対応が完了しない企業が半数強となる。1割の企業では対応予定もなし。

(5)WindowsXPパソコンの具体的な対応について (複数選択可)

バージョンアップよりも新パソコンへ買い替える企業が多い。XPダウングレードモデルの販売は2010年までとなる為、4年以上経過しており、更新のタイミングを迎えていたものが多いと言える。

(6)Windosw XPからの移行作業時の課題 (複数選択可)

万遍なくの選択となったが、「自社開発ソフトの修正、動作検証」や「市販ソフトのアップデート」や 「周辺機器の動作検証」など、OSに依存している周辺ソフトの課題が多いことがわかる。

(7) WindowsXPパソコンを使い続ける理由(※(4)にて使い続けると回答した企業(4社)が対象)

既存アプリとの互換性をあげる企業が多く、前項(6)同様にOSに依存していると思われる。また、導入コストを上げる企業も半分(2社)となった。

5-2.Office2003の対応状況

(1)Office2003のサポート終了(2014年4月)の認知度

WindowsXPの認知度は100%だったのに対し、Office2003は7%(3社)が知らないとの結果となった。その周知はXPに比べると弱かったと思える。

(2)保有するOfficeソフト (複数選択可)

約半数の企業が少なからず保有している状況であった。

(3)Office 2003が、保有オフィスソフト数全体に占める割合

WindowsXPがパソコン全台に占める割合と似通っている

(4)Office2003継続利用の有無

その継続利用もWindowsXPと似通っている。WindowsXPとOffice2003がセットのパソコンが多いと推測。

(5)Office 2003 からの移行の具体的な対応について

他Officeへの移行が1社あった。

(6)Office2003からの移行対応時の課題 (複数選択可)

マクロの互換性と、ユーザインターフェースが変わることによる使い方を課題にあげる回答が多い

(7)Office2003を使い続ける理由 ※(4)にて使い続けると回答とした企業が対象

5-3.自由記述 (課題、その他取り組み)

OSやOfficeなどのソフトウェアのサポート終了対策として、端末そのものだけでなく、企業内ネットワーク 全体で保護するという事も有効な対策の1つであり、その対策を進めている企業も多く出てきている。

(自由記述)
  • WindowsXP+Office2003よりも、Windows7+Office2010のほうが、WAN間のファイルアクセス速度が速くなります。ファイルサーバの一元化等に役立つと思います。
  • Office 2003クライアントPCは2010へ更新済。
  • サーバーにインストールしてあるもののみ使用、次回システム更新時まで使用する。
  • XPパソコンはトレンドマイクロの脆弱性対策オプションが2017年まで対応される。
  • 製造現場などにはXPパソコンが残存する予定だが、インターネットへのアクセスはプロキシサーバーによって遮断する。
  • 弊社では、ウイルス対策ソフトが同OS等に対応する場合、1年に限って利用を継続できることとした。これ以上利用する場合は、ネットワークから切り離す等の対策をとることとし、今後の対応策(更新方針等)を利用者に依頼
  • 残存XPはファイアウォールによって通信制限。

5.まとめ

(1)プロフィール、IT全般について

(2)クラウドサービスの活用状況

(3)スマートフォン、タブレット端末の活用状況

(4)情報セキュリティに対する取組み

(5)WindowsXPとOffice2003対応について