JKA補助事業
2024年度 IEC/TC90における超電導の国際標準化の状況(JKA殿補助事業)
超電導関連技術に関する国際標準化は、IEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)のTC90(第90番目のTechnical Committee、専門委員会、1987年設置)で審議されています。日本はTC90の幹事国として、超電導の国際標準化の構築に対する国際的な責任を担っています。
国際TC90ではWG1からWG14までの国際WG(Working Group、作業グループ)が組織されており、国内では国際WGに対応する国内WGをIEC/TC90技術委員会の下に組織し、活動しています。2024年度には3件の規格を制定し、これまでに発行されたIEC/TCの国際標準書類は30件となっています。また、2024年度には既発行の規格1件の改訂作業と新規規格2件の制定に向けて取り組みました。
IEC/TC90の国内技術委員会の下には、IEC国際標準に対応するJIS(Japanese Industrial Standards、日本産業規格)の原案を審議するために、JIS原案作成委員会および対応するJISのWGが組織され、活動しています。現在までに発行されている超電導関連のJISは15件です。2024年度も2件の新規規格の制定に向けて取り組みました。
本事業の実施にあたり、JKA殿の補助を受けて、超電導の国際標準化推進に関する事業を行いました。
トピックス:超電導技術の国際標準化会議を開催
2024年9月、超電導技術の国際標準化を議論するIEC/TC90プレナリー会議が、18年ぶりに日本で開催されました。各国から約30人の専門家が参加し、超電導材料やデバイスに関する規格の策定・改訂プランをまとめました。特に、カーボンニュートラル社会の実現に向けた超電導技術の活用が注目され、今後の技術開発に向けたロードマップ作成に関する議論が進められました。次回の会議は2026年にフランスで開催予定です。本会議の実施にあたっては、一部JKA殿の補助を受けて行われました。